いよいよ9月に突入した。アメリカでは今月から新学期がスタートする。そして、私の滞在期間は今月が折り返し。時が経つのは本当に早いものだ。
8月、大学は夏休みモードで、のんびりしてはいたものの、久々に今月2日発売の「週刊金曜日」に米国の日本人看護師事情を1ページ書きました。お読み頂ければ幸いです。
さて、さて。この夏はよく出かけた。今回はその中から、3つのイベント紹介の巻。
<インドネシア領事館の祭り>
7月16日、コリアンタウンにあるインドネシア領事館で、年に一度のインドネシア祭りが開かれた。この日は領事館の東隣にあるマリポサ通りにインドネシアの料理や衣料品などの屋台が並び、普段は閉鎖している領事館の駐車場に大型ステージも設けられて、民族音楽ガムランの演奏や踊りなどが披露された。
私も週に一度、この領事館で習っているガムラン教室のメンバーとして、イベントに出演することになり、民俗衣装の腰巻を借り、マリポサ通りに設けられた舞台で演奏させてもらうことになった。
担当したのは掌大の「クレナン」と呼ばれる突起の付いたゴング。一定のリズムで叩き続けるが、譜面がない上、全リズムのベースを作るため、内心冷や冷や。何層もの聴衆に囲まれていたが、演奏に気をとられ、聴衆の目に緊張するどころではなかった。残念ながら、演奏していたので、写真はなし。紹介しているのは、この日、別のステージで演奏したプロの先輩たち。
当日、ロサンゼルスでは高速道路405号の破壊工事による大規模な通行止めがあり、多くの人は外出を控え、市の中心部に近寄らないようにしていたにもかかわらず、一帯はインドネシア人と思われる来場者であふれ、この日を待ちわびる彼らの気持ちが伝わってきた。
私が担当したのは真ん中の女性が叩いているゴングを一回り小さくしたもの |
<オレンジ郡のカウンティフェア>
「カウンティフェア」とは「郡農産物品評(共進)会」の訳で、郡主催のお祭り。いくつかの郡で開催され、ロサンゼルス郡でも9月3日から10月2日まで開かれるが、出かけたのはオレンジ郡のカウンティフェア(開催は7月15日~8月14日)。日本の小さな町が一つ入りそうなくらい巨大な敷地で、ウィキペディアによれば、全米でいくつかあるカウンティフェアのうち、ここのものは全米で9番目(2010年)の規模を誇り、今年は135万人が訪れたそうだ。
豚や牛などの家畜コーナーや、野菜、花などの農産物コーナーに加え、共和党や民主党の勧誘ブース、有権者登録機械の設置のほか、ジャズステージ、ジャットコースターや観覧車などの遊園地コーナーと、硬いものから軟らかいものまで幅広く、ここへいけば、何でもそろうイベントのスーパーマーケットといった感じ。夏の一日、高齢者から幼児までじっくり楽しめる仕掛けだった。
赤のテントは諸々の屋台。移動式遊園地なのに大型遊具が多かった |
<ロングビーチのジャズフェスティバル>
8月12-14日にロングビーチのレインボー・ラグーンという公園で開かれたジャズフェスティバル。普段は湖を囲むような公園だが、期間中は会場一帯がフェンスで囲まれ、特設の大型コンサート会場に変身。会場には屋台もあったが、多くの人は飲み物や食べ物を持参して、これまた自分たちで持ってきたキャンプ用の椅子に腰掛け、著名なジャズミュージシャンの演奏に合わせ、踊りだすのだった。ハリウッドボウルも自分たちが食べ物を持ってきて楽しむスタイルではあったが、この会場はそれ以上に、自由度が高く、各自が自分たちのスタイルで自分たちのペースをキープしながら、同じ音楽を共有して楽しんでいた。
ジャズということもあってか、圧倒的にアフリカン・アメリカンが多く、中にはコケイジャンもいたが、アジア系がかなり少ないのが印象的だった。別に一帯はアフリカン・アメリカンが多い地域というわけではないらしいが。
そばに座っていたアフリカン・アメリカンのダンスやリズムの取り方を見ながら、彼らは生来のミュージシャンなのだと、またまた感動してしまった。
持ち寄った椅子でリラックスしながら演奏に聞き入る来場者 |