語学研修で訪れたUCデービス校の図書館は、新聞棚から随分定期購読紙が消えていた。
かつて購読されていた新聞社のスペースだけが残り、購読中の新聞が虫食い状態で並ぶ。米国では日本以上にインターネット攻勢で新聞社の弱体化が進み、看板を下ろす社が続出。それに大学を運営するカリフォルニア州の財政難が追い討ちをかけ、今回のような“虫食い”の新聞棚が生まれた。
東日本大震災の翌日、ロサンゼルスに引っ越したので、とにかく邦字紙が読みたくて、UCLAの最もメジャーな図書館へ駆け込んだが、置いているのは米国の数紙だけ。海外の新聞なんて夢のまた夢だった(東アジア研究専門の図書館が朝日新聞をとっているのに後で気づいた)。
全米第4位の発行部数を誇るロサンゼルス・タイムズ社を見学する機会があり、興味津々ででかけてみたが、今度は虫食いの机が目に付き、泣きたくなった。2008年に親会社のトリビューンが経営破綻し、1割以上のスタッフが解雇されて机だけが残った。
帰宅後、ロサンゼルス・タイムズを購読することにしてインターネットで契約したところ、半年で税込み71.76ドル。一ヶ月で割れば、12ドルにも満たない。契約の仕方次第ではさらに安くなってしまう。しかし、これで、どうやって新聞社を経営していけるというのだろう。
新聞社で育てられ、今ここにいる私は新聞への愛着がひとしおだ。どこの国のどこの新聞社であれ、次のビジネスモデルが見つかるまで、少しでも長く少しでも多く、命をつなげられるよう、祈る思いで日々、新聞をめくっている。
| 最も活気があった部署。右上の人だかりは見学者 |
| 使われていない机が並ぶ一画 |
| 家庭面用か社内に調理室があった |