2011年6月17日金曜日

食事の誘いはご用心


 ハリウッド映画では、友達同士の男女が、二人でランチやディナーを楽しむ光景がよく登場する(と思う)。私も仕事の流れで、男性と二人、ご飯を食べたり、飲みに行ったりすることはあったから、食事はそういうものだと思っていた。

ところが、米国、特に若者の間では、食事文化は日本と大きく違うらしい。1、2週間に一度、英語と日本語を教え合う男子学生と会っていたが、相手がいつも午後2時や4時を指定してくる。そんな時間を出されたら、半日丸々つぶれてしまう。
そこで、「ランチの時間にしないか」「ディナーで会おう」と2、3度、時間の変更を申し出たが、その度彼は「用事を思い出した。今日はキャンセル」「ディナーに行きたいけど、友達と約束していて・・・」と断ってくる。大学の生協で食べるだけなのに。「感じ悪いなぁ」と思っていたものの、「食事」のフレーズを出したときの動揺は謎だった。

ところが、最近スポーツジムに通い始めたところ、受付でたまに話す遊び人風お兄さんが驚愕の事実を教えてくれた。
「いいかい、こっちじゃね、男女がディナーに行くっていうことは、デートで女性が次のステップをOKしたのと同じ。ランチなら、それもありってことなんだよ」。

 以前、アメリカで暮らしていた知人から、ディナーには特別な意味があると聞いた気もしていたが、それは二人の間に特別な関係が存在するときだけだと思っていた。しかし、ジムの兄さんいわく、「若者に例外なし」だそうだ。
 そんなことも知らず、私は男子学生を誘い続けていたのか。そして、その度、学生に断られ続けていたのか。全く構わないが、それはそれで不愉快ではある。

 早速ジムから帰って「こんなこと言われたけど、本当かね」とメールしたところ、青年は「イエース!これはアメリカじゃとても大切なきまりなんだよ。でも、君がそんなつもりじゃなかったのは知っているから、気にしないで。今度、友達としてランチやディナーに行こうよ」。うそー、絶対勘違いしていただろう、青年よ。

 以降、会う人ごとに現地の食事コードを聞いてみたところ、ほぼ全員ディナーについて「その通り!」と答えた。中年以上は、「ランチならそんなこと関係ないよ」と否定したが、学生たちは「相手によるけど、その意図の可能性は大ね」と恐ろしいことを言うのだった。

どうなっているんだ、ハリウッド映画!というか、私の記憶違いか。

街の辻々にあるスターバックス。昼間のカフェなら男女の誘いも問題ないらしい

2 件のコメント:

  1. 確かに日本でも「夕食をご一緒に」となると、
    恋の予感を感じたりしますが、
    昼食ならばそれほど意識しないよね。
    (「朝食をご一緒に」が一番明確な意思表示ね~)。

    ちなみに、日本では「何を食べるか」かも問題になるよね。
    (一昔前のことで、今はそうでもないように思うけれど)
    カップルで焼き肉=親密になりたい
    カップルでラーメン=友だち感覚
    など。アメリカではどうなのでしょう。

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  2. 本当に食事マナーはこっちが知りたいくらいですよ。少し前、一緒に夕食を食べた(もちろん食べただけ)クラスメートは店に行ってから、いきなり、「僕ベジタリアンだから肉食べないよ」ときた。はたまた一緒にランチをしたインドネシアの女子学生も、店に入るなり、イスラム教徒ということで、野菜だけ詰まったサンドイッチを注文していた。
    この国ではバックグランドが余りに違いすぎるので、日本のように、食べ物が何かのシグナルになる、ということはあるんだろうか。

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